CONNチュートリアル (20.b対応): SETUP – QA plots

前処理が終わったら、前処理のQA (Quality Assurance) を行いましょう。よくQC (Quality Check)という言葉が使われますが、QAはQCと同義です。

Preprocessingの下の “QA plots” をクリックします。

そうすると、下図のダイアログが出てきますので、右上の “Create new report” をクリックします。

QA reportの名前を設定するように求められます。デフォルトでタイムスタンプが入りますので、そのままでいいでしょう。OKをクリックします。

そうすると、”No plots found in this QA report. select ‘New plot’ to get started.” と出ますので、素直に”Create new plot”をクリックします。

どのようなPlotを作りたいのかのダイアログが出ます。ここはデフォルトのままで十分ですので、そのまま “Start” をクリックします。Linux, macOSで並列処理をしたい方は先と同じ方法で並列処理をしてもよいでしょう。

そうすると、計算がはじまります。しばらく時間がかかりますので待ちましょう。

終わると、ダイアログが出ます。Continueをクリックします。

Plotsを選ぶところで、QA variables: distribution of subject-level QC measures” を選択します。

左下の **Select all* をクリックします。そうすると、全例をプロットできます。

ここで外れ値を確認できます。

  • Valid Scansを見ると、S16だけ思いっきり外れていることがわかります。Subject16は問題がありそうです。
  • MaxMotionsも同様に、S16だけ外れています。S16は突発的な動きをしたようです。
  • MeanMotionを見ると、S15とS16が上限を少し外れています。S15とS16は全体的に動いていたようです。
  • MaxGSchangeを見ると、S18が上限を少し外れています。GSはGlobal Signalの略です。
  • MeanGSchangeを見ると、S3が上限を少し外れ、S16は大きく外れています。

これから、S16は解析には不適と考えられます。

実際のデータを見てみましょう。PlotsからQA artifacts: BOLD GS changes & subject motion timeseries with functional movie を選択します。

問題となっている subject 16 を選択し、右下の Details をクリックします。

するとSubject 16の動きが movie で見ることができます。

動画の下のグラフも重要です。

  • BOLD GS ChangesはBOLD画像の脳全体での信号がZ値として示した時にどのように変化したのかを示します。グラフの最大値が2.4439ですから、この症例については、最大値はそこまで大きく変化していないことがわかります。
  • Subject motionは、Subject 16がどれだけ動いたのかを示します。グラフの最大値が12.4573ですから、この方は1cm以上動いてしまっています。
  • 一番下の Outliers はどのスキャンが外れスキャンとして認識されたかというものになります。1が外れスキャンですので、ほとんどが外れスキャンとして認識されていることになります。これは使いものにならないことが改めてわかります。

これからこのスキャンを取り除きたいと思いますが、その前に、共変量を設定しておきましょう。Covariates (2nd-level)の設定を次の記事で紹介します。

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4 thoughts on “CONNチュートリアル (20.b対応): SETUP – QA plots

  1. いつも参考にさせていただいております。
    本文中の記載で疑問点がありご質問いたします。

    「これから、S16は解析には不適と考えられます。

    実際のデータを見てみましょう。PlotsからQA variables: distribution of subject-level QC measures を選択します。」

    との記載になっていますが、スクリーンショット上では「QA artifacts:BOLD GS・・・」を選択しており、実際の操作として正しいのはスクリーンショットでの選択と思われます。

    ご報告まで。
    今週末のABiS講座も楽しみにしております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

  2. いつも当HPの脳画像解析eラーニングやABiSで勉強させて頂いてております。

    解析に不適な被験者を削除する基準につきましてご教授ください。
    解析に適する被験者はValidScansが1st Q -1.5IQRi以上、3rd Q +1.5IQRi以上(赤点線の範囲内)に入っていなければならないでしょうか?
    あるいは他に明確な基準があるものでしょうか?

    初歩的な質問でもうしわ

    • 絶対にその範囲内に入っていなければいけないわけではないですが、入っていることが好ましいかと思います。外れ値をどう設定するかは、Golden ruleはないかと思いますが、これは参考になるかと思います。

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