10 Aug 2021: Ubuntu 20.04ベースのLin4Neuroを公開しました(現時点ではVirtualBoxの仮想マシンのみの公開です)。最新版のLin4Neuroは こちらからダウンロードできます。
新着情報
- 10 Aug 2021: l4n-20.04.2-amd64-20210810-ja がリリースされました。
- 16 May 2020: l4n-18.04.4-amd64-20200516-ja がリリースされました。
- 18 Jan 2016: l4n-14.04-x64-ja-20160118 と と l4n-14.04-x64-en-2016011816 がリリースされました。
- 31 Aug 2013: l4n-12.04-x64-ja-20130829 と l4n-12.04-x86-ja-20130829 がリリースされました。
- Lin4Neuro日本語版はダウンロードページからダウンロードできます。
- 01 Dec 2012: Xubuntu 12.04ベースのLin4Neuroがリリースされました。ということで、Ubuntu 10.04ベースとXubuntu 12.04ベースの双方が利用できます。
- 20 Sep 2012: Lin4Neuroの日本語版解説ページを作成しました。
- 18 Sep 2012: lin4neuro-lucid-amd64-Ja-20120918 と lin4neuro-lucid-i386-Ja-20120918がリリースされました。
Lin4Neuroとは
今までにこんな経験をしたことがありませんか?
- いいソフトを発見したけれども、Linuxでしか動かないというのであきらめた。
- Linuxに興味はあるんだけれども、最初に何をすればいいのかわからない。
- Linuxを自分でいれてみたけれども、ソフトの設定に苦慮している。
様々な方々の助けを得て、画像解析に特化したLinuxを作成しました。
Lin4NeuroはUbuntu 18.04 をベースに、XFCE-4.12を実装しています。Lin4Neuroには様々な画像解析ソフトがプリインストールされています。どんなソフトがインストールされているかは、こちら(英語ですが…)をごらんください。
これらのソフトはいずれも有名で画像解析研究において広く使われています。また、GNU GPL (General Public License), BSD (Berkeley Software Distribution) ライセンスや営利目的でなく研究目的であれば再配布可能とされているライセンスのものをインストールしてあります。
Lin4Neuroがあれば、画像解析ソフトにすぐ利用することができ、画像解析に集中することができます。その点で、Lin4Neuroは画像解析にこれからとりかかろうとする方々には格好の入門OSになると思われます。また、多施設共同研究においても有用です。
ハードウェアの要件
Lin4NeuroはUbuntu 18.04ベースですので、システム要件はUbuntuと同じです。しかし、画像解析にはできるだけ高性能のCPUと大容量メモリをおすすめします。Freesurferのためのシステム要件が参考になるかもしれません。VirtualBox上で動かすのならば、本体のメモリは8GB以上が必須です。
- 2GHz以上のプロセッサ
- 最低4GBのメモリ
- 3Dグラフィックスカード (グラフィックボードにGPUとビデオメモリを搭載しているものはなお可)とaccelerated OpenGLドライバ
- 17インチ以上のモニタ
Lin4Neuroの入手
- ダウンロード
Lin4Neuroのisoイメージは こちら から入手できます。
現在は、VirtualBoxで動作する仮想アプライアンスとISOイメージを配布しています。ともに約3GBあります。このため、ダウンロードにはしばらく時間がかかることをご容赦ください。
- Lin4Neuroのセットアップ
Lin4Neuroを使えるようにするにはいくつか方法があります。
- 仮想化ソフトを使う
Lin4NeuroはVirtualbox上で動作させることができます。VirtualBoxのメニュー→仮想アプライアンスのインポートから、ダウンロードしたovaファイルを指定すれば完了です。
ログイン名は”brain”, パスワードは “lin4neuro” となります。 - ブータブルUSBメモリを作成する
Lin4NeuroのisoからブータブルUSBメモリを作成できます。Lin4Neuroは2GBをこえていますので、4GB程度のUSBメモリをご用意下さい。それ以上大きいものを使ってもメリットはあまりありません。
具体的な方法はPDFで公開しています。こちらをご参照ください。近年は、Rufusを使われることが多いようです。
- DVDに焼く
おすすめできないものの、方法のひとつです。 “Imgburn” (Windows) や “cdrecord” (Linux) を使ってISOイメージをDVDに焼きます。このDVDにを用いてPCを起動すれば立ち上がりますが、スピードはDVDドライブの速度によりますので、おすすめできません。ただし、PCによっては、USBメモリからの起動に対応していない場合もありますので、そのような場合にはDVD起動という方法もあることをご存知でいていただけたらと思います。
- 仮想化ソフトを使う
- Lin4Neuroの起動
- DVDやUSBメモリからの起動
PCのメーカによって変わりますが、PCの電源を入れた後に”F12″か”F11″を押してみて下さい。うまくいくと、起動メディアを選択する画面に切り替わります。それができなければ、BIOS画面で起動を指定する必要があります。機種により異なりますので、お使いのPCのマニュアルをご参照下さい。
- 仮想化ソフトからの起動
仮想化ソフトからの起動は簡単です。仮想化ソフトにLin4Neuroをインストールした後、Lin4Neuroを起動させれば、1分以内にLin4Neuroが立ち上がります。
- DVDやUSBメモリからの起動
Lin4Neuroの使い方
- GUIメニュー
- CUI(コマンドラインインターフェース)
- インストーラー
- 自習用チュートリアル
GUIメニューをもつ画像解析ソフトはすべてメニューからアクセスできます。Windowsユーザでも直感的にいじることができるようにメニューがカスタマイズされています。「スタート」ボタンは画面の左下にあります。スタートボタンをクリックしていただければ、カスタマイズされたメニューが表示されます。メニューに”脳画像解析”があると思います。画像解析ソフトのショートカットはすべてこの中に入っています。
スタートボタンのすぐ右側にあるアイコンを押すと、ウィンドウにある全ての画面を最小化することができます。その右側にあるボタンが「端末」を起動させるボタンです。GUIメニューがないソフトや、直接コマンドをうつことでプログラムを起動したい場合は、端末を使って下さい。
例をあげましょう。もし、端末からMRIcroGLをたちあげたいとします。その場合、端末をたちあげて以下のようにタイプしてください。
$ MRIcroGL
これによってMRIcroGLを起動することができます。
AFNI, FSL, FreeSurfer, MRtrix など、様々な画像解析ソフトのインストーラーを準備しています。
デスクトップ上の”installer”からアクセスしていただき、インストールしたいソフトのインストーラーをダブルクリックしていただくとインストールがはじまります。
Chris Rorden教授が親切にMRI解析チュートリアルをLin4Neuroに掲載することを許可してくださいました。
チュートリアルは、ホームディレクトリの下の tutorial に入っています。データもすべてそこに入っています。
ライセンス・文献
Lin4Neuro自体はGPLで配布します。ただし、Lin4Neuroに収載されているソフトは独自のライセンスがありますので、使用するためにはそれぞれ同意していただく必要があります。クリス・ローデン教授のデータに関しては、配布することの了承を得ています。
Lin4Neuroが便利と思われ、データ解析に使用された場合、以下の論文を引用していただけるとありがたいです。
Nemoto K, Dan I, Rorden C, Ohnishi T, Tsuzuki D, Okamoto M, Yamashita F, and Asada T. Lin4Neuro: a customized Linux distribution ready for neuroimaging analysis. BMC Medical Imaging 2011, 11:3
謝辞
- Lin4NeuroはNeuroDebianリポジトリを使用しています。Lin4Neuroにインストールされている画像解析ソフトのいくつかはこのNeuroDebianを利用しています。NeuroDebianの開発者たちに心より感謝申し上げます。
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2019年4月以降は、科研費の支援を受けています。
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2015年6月から2019年3月まで、このプロジェクトは、内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)による支援を受けています。山川義徳プロジェクトマネージャーに御礼申し上げます。
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Lin4Neuroの開発には、株式会社ディアイティ様にもご協力いただきました。ディアイティ社の協力のおかげで、より洗練されたシステムになりました。
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また、過去には2009年〜2011年まで、このプロジェクトは厚生労働科学研究費事業から研究費をいただきました。福田正人先生、檀一平太先生はこのプロジェクトに対するご理解をいただき、多くの支援を頂いております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
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クリス・ローデン教授はサンプルデータやチュートリアルを提供してくださいました。また、有用な提案をいくつもしてくださいました。感謝申し上げます。
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續木大介先生および小林正人氏もLin4Neuroを作り上げる上で多くの助けをくださっています。彼らがいなければLin4Neuroは陽の目をみることができませんでした。感謝申し上げます。
フィードバック
Lin4Neuroについてぜひご意見をおきかせ下さい。連絡先は、kiyotaka_at_nemotos.net です。atを@に置き換えて下さい。
(c) 2010-2021 by Kiyotaka NEMOTO
相澤病院放射線診断科 金子と申します。
ABISでは大変お世話になりました。お陰様で臨床研究を開始することができました。
MacBook(M1,OS11.6)にlinn4neuro最新版をインストールさせていただきたいと思ったのですが、ovaファイルがenとjaの二つあり、どちらをダウンロードしたらいいかわかりません。何が違うのでしょうか?素人質問で恐縮ですが、ご教示いただければ幸いです。
金子先生
ご連絡ありがとうございます。
enとjaは、EnglishとJapaneseの違いで、jaが日本語化をしてあります。
しかし…
まだ、VirtualBoxがApple M1には対応していないんですね。
なので、VirtualBoxが入らないかと…。
根本先生
早速のご返信ありがとうございます。
よく分かりました。単純なことに気付かなくてお恥ずかしいです。
研究用のPC(非M1)に入っているlin4neuroをいじるのがちょっと怖くて、とりあえず私用のPC(M1)に入れてみようかと思ったのですが、VirtualBoxはM1に対応していないんですね。既にインストールしたのですが、(見かけは)動いています。実際使ってみて不具合があれば、またご報告いたします。
金子先生
はい、Virtualboxは入るのですが仮想マシンが動かないのです…
根本先生
そうなんですね。重ね重ねありがとうございます。M1にはまだまだ市民権がないんですね・・・
気を取り直して非M1の方に入れようと思います。
金子先生
M1はCPUがこれまでのものと全然違うんですね。
なので、それをエミュレートすることがなかなか大変なようです。
といっても、現在、M1上で動作するLinuxが開発されているので、
もう少ししたら、いろいろ状況が変わってくるのではないかと思います。
非M1のmacOSに入っているVirtualBoxには、(ハードディスクに余裕があることを確認したうえで)複数の仮想マシンを入れることができます。
私のワークステーションでは、10以上の仮想マシンが入っていて、適宜動いています。
なので、目的にあった使い分けもありですね。
根本先生
ご返信ありがとうございます。M1もそのうち使えるようになるのを待とうと思います。
VirtualBox上には複数の仮想マシンを入れることができるということですね。重ねての質問で大変申し訳ないのですが、今のlin4neuroをそのままにして新しいバージョンも入れることができるということでしょうか。それともデータだけ残して、まるっと入れ替えた方がいいのでしょうか。まだ数例なので、入れ替えるなら早い方がいいかと考えております。初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
はい、おっしゃるとおりです。
データは、共有フォルダを使えば、どのバージョンからでも同じところにアクセスできますよね。
根本先生
ありがとうございます!分かりました。そうさせていただきます。
ピングバック: 脳画像解析のための環境構築
根本先生
いつも大変お世話になっております。
最近work stationを購入し、Lin4Neuroの最新版(14n-16.04-x64-ja-20170627.iso)をOSとしてインストールしようとしたのですが、以前こちらでコメントを残されている瀬尾先生と同様に最後に「インストーラーがクラッシュしました」と表示されてしまいます(usbメモリとDVDでやってみたのですがだめでした)。もし対処方法がありましたらご教授していただけますと幸いです。
ご多忙のところ誠に恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
吉田先生
ご連絡ありがとうございます。
この件、新しいバージョンを準備していますので、あと数日で公開しますね。
どうぞよろしくお願いします。
根本清貴
根本先生
ご多忙のところ早急に返信いただき、誠にありがとうございます。
よろしくお願い申し上げます。
吉田
吉田先生
準備したので試してみていただけますでしょうか。
http://www.lin4neuro.net/lin4neuro/16.04xenial/ja/l4n-16.04-x64-ja-20180206.iso
上記のリンクから l4n-16.04-x64-ja-20180206.iso をダウンロードしてください。
今回、コンパクト版にしていますので、ファイルサイズは1.6GB程度です。
USBメモリを作成し、そこから起動してください。
インストーラーを改善したはずですので、インストールできるはずです。ここでクラッシュが起きないことを願います。
ちなみに、これまでの報告でデュアルブートではうまくいかないことが認識されています。
再起動します。
FSLが5.0.10になってから、ファイルサイズがばかでかくなりました。そのため、別にインストールします。
ターミナルを起動してください。
その後、以下をタイプします。
あとはデフォルトの指示のまま従っていただければインストールできます。
ダウンロードに1時間ぐらいかかる可能性がありますので、辛抱強く待ってください。
今回、ISOを小さくしたかったので、AFNIに関しても小さくしてあります。
同じくターミナルから行きます。
これでAFNIのベースがインストールされます。
再起動します。
これで追加のインストールも行われます。
以上、よろしくお願いします。
根本清貴
根本先生
ありがとうございます。
早速やってみたのですが、やはり前回と同じところで「インストーラーがクラッシュしました」となってしまいました。。。
吉田
吉田先生
ご報告、どうもありがとうございます。
ちなみに、USBメモリはどのように作成されていらっしゃいますか?
ご教示いただけたらと思います。
今、2パターンあります。
BIOSの場合、クラッシュせずにインストールできていることを報告受けています。
UEFIの場合、マザーボードの設定の変更が必要かもしれません。
根本先生
昨日はUSBとDVDにISOイメージを入れて行いましたが、本日はUSBメモリがなかったためDVDを用いました。
USBメモリはISOデータをダウンロードし、UNetbootinを用いてデータを保存しました。DVDは昨日も本日もISOデータをそのままDVDに入れた状態でインストールを行いました。
USBメモリに保存する場合、他にやり方はありますでしょうか?
吉田
吉田先生
どうもありがとうございます。
UNetbootinはプログラムそのものにバグがあるのでおすすめできないです。
ちょっとまとめてみますので少しお時間をいただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いします。
根本清貴
いつもお世話になっております。埼玉医大病院神経内科の瀬尾です。
今回、Lin4Neuro日本語版を使わせていただこうと思いまして、インストールしたのですが、エラーが出てしまいましてインストールが完了しないため、ご質問させていただきました。
自分が使用中のPCはMAC OS 10.12.5でvirtualboxでのLin4Neuro日本語版の起動となっています。
エラー内容なのですが、先生がHPにて解説していただいているように進めていき、Lin4Neuro-amd64-Ja-20120507 – のインストールのファイルを実行しインストールが始まるまではうまく行くのですが、インストールが完了する寸前で『インストーラーがクラッシュしました。』と表示され、そこで終わってしまいます。isoイメージを再ダウンロードするなどで対処を試みたのですが、結果は同じでした。
お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。
瀬尾先生
ご報告ありがとうございます。
すみません、これはバグでして、先週、バグの原因を突き止めることができました。
来週頭にはバグを修正したバージョンをリリースできると思います。
もう少しだけお待ちいただけますか。
どうぞよろしくお願いします。
根本先生
早速のお返事ありがとうございます。
修正バージョンが出るのを楽しみにしております。
いつも、ご教授してくださりましてありがとうございます。
瀬尾先生
Lin4Neuroの修正バージョンができました。
現在アップ中ですので、あと2時間ぐらいで利用可能かと思います。
よろしくお願いします。
根本先生
ご連絡してくださり、ありがとうございます。
さっそく、使わせていただきます。
宜しくお願い致します。
平素よりL4Nをとても便利に使わせて頂いています。
東京大学医学部 放射線部 鈴木 雄一と申します。
連絡先にうまくメールできませんでしたので、こちらに書かせていただきました。
今度、機会がありましてFSLの歪み補正の話(講演)をさせていただくのですが、先生のHPおよびL4Nの紹介をさせていただいても差し支えないでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。
鈴木さん
ご連絡どうもありがとうございます。
紹介していただけたら、たいへんありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。
根本清貴
早々のご返信とご快諾ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
ピングバック: Lin4Neuro日本語版ページの開設