SPM12から搭載された解剖学的名称の同定

この内容は、以前、東大の小池先生から教えていただいた内容です。
まとめるのが遅くなりましたが、まとめてみました。

すぐできるVBMでは、Anatomy Toolboxを使って結果の解剖学的位置の同定を行いました。執筆時点では知らなかったのですが、SPM12から、プラグインを導入しなくても、解剖学的位置を簡単に知ることができるようになりました。

まずは、SPMで結果を出します。

その時、SPMの左下のウィンドウに、下図に示すように、Atlasというメニューが新しく出るようになりました。これを選んで、Label using -> Neuromorphometricsと選択します。

labels1

そうすると、右のSPMの座標が表示されている表の、座標のところを右クリックすると、その座標がどのくらいの確率でどの場所かということが表示されます。
今の場合、座標 [0 26 40] は、21.4%の確率で、左上前頭回内側面、18.0%の確率で右上前頭回内側面、16.2%の確率で左補足運動野ということがわかります。(x軸の座標が0なので、左右どちらもあります。例があまりよくなかったですね…)

labels2

さらに、これは、結果の表だけでなく、Sectionなどで画像を表示したときも利用することができます。

Overlays -> Sections で、画像を表示した後に、画像の上で右クリックをするとメニューが出てきます。

そこで、Display -> Labels -> Neuromorphometricsと選択していきます。

labels3

そうすると、画面にその座標が表示されるようになります。

ちなみに、同じDisplayの中にあるcoordinateを選ぶと座標が表示されますし、Fileを選択すると、背景に使った画像のファイル名が表示されます。

SPMの結果の上での右クリックはバージョンがあがるにつれ、様々な機能が追加されていますので、時間があるときに試してみると発見があります。

ということで、小池先生、遅ればせながらありがとうございました。

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17 thoughts on “SPM12から搭載された解剖学的名称の同定

  1. 質問失礼致します。

    脳MRI画像においてGMやCSF等にセグメンテーション、標準化を実行したものに対して、こちらのneuromorphometricsの各領域ごとの体積をCSV形式で取得したいのですがどのようにするとできるのかご教授頂きたいです。よろしくお願い致します。

    • それを行うこと自体は可能なのですが、SPMだけでやろうとするとちょっといろいろ工夫が必要になってきます。
      FSLはお使いでしょうか?もしそうだとしたら話が早いのですが。

      • 返信ありがとうございます。

        FSL使用したこと無かったです。勉強不足でした。

        ですが、話が早いのであればFSLを使用して行いたいと思うので、手順についてご教授お願いできますか?

        • 了解です。ちょっと調べてて、今、SPMだけで行う方法を見つけたのであと1時間ぐらいお待ちください。今、スクリプトを書いています。

        • スクリプトが書けました。

          https://gitlab.com/kytk/kn-scripts/-/raw/main/calc_volumes_neuromorphometricsROI.m

          こちらをダウンロードしていただき、Matlabのパスが通っているところに保存してください。

          Matlabから

          calc_volumes_neuromorphometricsROI
          

          とタイプすると、画像を選択するダイアログがあらわれますので、そこに標準化された画像を選択していれてください。

          そうすると、現在のディレクトリに

          ROIvols_タイムスタンプ.csv

          というファイルができると思います。

          ちなみに、灰白質画像はそれなりの値が出ますが、CSFに関しては確認が必要かなと思います。

          試してみてどうか教えてください。

          • スクリプトありがとうございます!

            灰白質、CSFともに実行してCSVデータを得ることできました。それなりのデータが出ているかはこれから解析を進める上で確認していこうとは思いますが、根本先生はどのように判断されていますか?

          • 灰白質は大丈夫と思います。
            CSFについては、私だったら、先行論文を参考にすると思います。

          • 根本先生、迅速かつ丁寧に手順を教えて頂きありがとうございます。
            これをもとにこれから解析していこうと思います!

  2. 解剖学的部位を同定する方法を探しており、大変参考になりました。ありがとうございました。
    この方法で解剖学的部位を同定する根拠となるreferenceの確認方法をご存じでしたらご教授頂きたいです。
    よろしくお願い致します。

  3. 何度もすみません。
    また、質問させてください。

    Anatomy Toolboxのパス設定についてです。
    ご著書の通り、Anatomy_v3をSPM12フォルダのtoolboxにおき、パスを設定しましたが、
    SPMを起動してもtoolboxに変化がありません。

    >> which anatomy
    /Users/akaikeshun/spm/spm12/toolbox/Anatomy_v3/Anatomy.m

    以上の通り、認識してくれているようなのですが、うまくいきません。
    どの点に不備がありそうか、ご意見いただけませんでしょうか。

    • これは、ちょっとしたTipsなのですが、Anatomy_v3 を Anatomy とリネームしていただくことで解決します。

      SPMを一旦閉じて、Anatomy_v3 をAnatomy とリネームしていただき、そして、再度SPMを開いていただけませんか。

      それで起動するのではないかと思います。私の環境ではそれで起動しました。

      • すんなり起動いたしました。
        お手間をおかけいたしました・・・

        ありがとうございます。

        • よかったです。こういうTipsはむしろないのでこういう質問をしていただけることが、他の人の役にも立つと思います。

  4. ピングバック: SPMの結果から、Neuromorphometricsを用いて自動で領域名を抽出するスクリプト

  5. ピングバック: SPMで解剖学的名称を探すのがラクになった | 胡麻スティックビスケット

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