CONNチュートリアル (20.b対応): SETUP – ROIs, Conditions

前処理が終わり、QA plotsで不適なsubjectsを取り除きました。次にROIsとConditionsを確認します。

ROIs

まず、ROIs をクリックします。

ROIの種類にデフォルトでは、”Grey Matter”, “White Matter”, “CSF”, “networks”, “atlas” の5種類が準備されています。

Grey Matter の画像の下の方に着目してください。Subject-specific ROIにチェックが入っていますね。これは(当然ですが)GM maskは1例1例別のROIが使われますよという意味になります。fMRI信号にGrey Matterから作成されるマスクを適用することによって、fMRI信号の解析される領域を灰白質の信号だけに限局させます。

次に、White Matter をクリックしてみてください。

GMと同様にWMの画像の下あたりにマウスを持っていくと、Advanced optionsが現れます。ここで、Regress-out covariates にチェックが入っていることに着目してください。白質の信号値は解析からregress outされますということを意味しています。

画像は出しませんが、CSFも同様になっています。

次に networks をクリックしてみてください。

このnetworkについては、conn/rois/networks.groups.info に次の情報が記載されています。

ROI order/clusters for CONN’s network ROIs (conn/rois/networks.nii)

This ordering has been derived using CONN’s default ROI clustering and ordering procedures (complete-linkage
hierarchical clustering, Sorensen 1948; optimal leaf ordering for hierarchical clustering, Bar-Joseph
et al. 2001) applied to Cambridge 1000-connectomes resting state datadataset (n=198; http://www.nitrc.org/projects/fcon_1000;
dataset preprocessed and denoised using CONN19b default options for volume-based analyses, direct MNI normalization)

8 networks / 32 ROIs

Cerebellar
———————————————————–
networks.Cerebellar.Anterior (0,-63,-30)
networks.Cerebellar.Posterior (0,-79,-32)

Fronto Parietal
———————————————————–
networks.FrontoParietal.LPFC (L) (-43,33,28)
networks.FrontoParietal.PPC (L) (-46,-58,49)
networks.FrontoParietal.LPFC (R) (41,38,30)
networks.FrontoParietal.PPC (R) (52,-52,45)

Default Mode
———————————————————–
networks.DefaultMode.MPFC (1,55,-3)
networks.DefaultMode.LP (L) (-39,-77,33)
networks.DefaultMode.LP (R) (47,-67,29)
networks.DefaultMode.PCC (1,-61,38)

SensoriMotor
———————————————————–
networks.SensoriMotor.Lateral (L) (-55,-12,29)
networks.SensoriMotor.Lateral (R) (56,-10,29)
networks.SensoriMotor.Superior (0,-31,67)

Dorsal Attention
———————————————————–
networks.DorsalAttention.FEF (L) (-27,-9,64)
networks.DorsalAttention.FEF (R) (30,-6,64)
networks.DorsalAttention.IPS (L) (-39,-43,52)
networks.DorsalAttention.IPS (R) (39,-42,54)

Language
———————————————————–
networks.Language.IFG (L) (-51,26,2)
networks.Language.IFG (R) (54,28,1)
networks.Language.pSTG (L) (-57,-47,15)
networks.Language.pSTG (R) (59,-42,13)

Salience
———————————————————–
networks.Salience.ACC (0,22,35)
networks.Salience.AInsula (L) (-44,13,1)
networks.Salience.AInsula (R) (47,14,0)
networks.Salience.RPFC (L) (-32,45,27)
networks.Salience.RPFC (R) (32,46,27)
networks.Salience.SMG (L) (-60,-39,31)
networks.Salience.SMG (R) (62,-35,32)

Visual
———————————————————–
networks.Visual.Medial (2,-79,12)
networks.Visual.Occipital (0,-93,-4)
networks.Visual.Lateral (L) (-37,-79,10)
networks.Visual.Lateral (R) (38,-72,13)

32領域のROIで8つのネットワークの情報が入っているわけですね。

その次に、atlas をクリックします。

このアトラスについては、conn/roi/atlas.info の最初に次のように記されています。

ROIS defined from:

1) Cortical ROIs from FSL Harvard-Oxford Atlas maximum likelihood cortical atlas (HarvardOxford-cort-maxprob-thr25-1mm.nii); divided bilateral areas into left/right hemisphere; (91 ROIs)

2) Subcortical ROIs from FSL Harvard-Oxford Atlas maximum likelihood subcortical atlas (HarvardOxford-sub-maxprob-thr25-1mm.nii); disregarded Cerebral White Matter, Cerebral Cortex, and Lateral Ventrical areas; (15 ROIs)

3) Cerebellar parcelation from AAL Atlas (26 ROIs)

FSLのHarvard-Oxford Atlasを大脳に、AAL Atlasを小脳に使っていることがわかります。

さらに conn/rois/atlas.groups.info を見ると、このすべての領域(132領域)を22のネットワークに分けてくれています。これはこれで勉強になります。

CONNでは、デフォルトでは、networkの32領域とatlasの132領域の合計164領域を使って、ROI-to-ROIのconnectivityを計算します。

最後にROI toolsについて言及しておきます。ときに、既にCONNで決められたものではなく、自分で関心のある領域をROIとして設定したい場合があります。ROI toolsを使うと、MNI座標を指定して、それを中心に○mmの大きさのROIを作成することができます。また、この後でできるICAの結果などを取り込むこともできます。他のデータセットで得られたICAの領域を別のデータセットにあててみるといったことをしたい場合に有用です。スタンドアロン版ではできませんが、Matlab版では、conn/roisの中に自分でROI画像を入れるとそれを使うこともできます。

Conditions

ROIsをひと通りみたところで、Conditionsも見てみましょう。

今回のサンプルデータではConditionsは特に面白くありません。しかし、CONNはタスクfMRIであったり、rs-fMRIを複数回撮像したりした場合などにも対応できるようになっています。その時にこのConditionsを使ってsessionとsessionの関係を設定していきます。

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17 thoughts on “CONNチュートリアル (20.b対応): SETUP – ROIs, Conditions

  1. conn/rois/atlas.groups.info を見ると、このすべての領域(132領域)を22のネットワークに分けてくれています。

    →これらの領域の名称はどこに書いてありますでしょうか?それぞれのサイトや論文を一つ一つみていくしかありませんか?どうぞ宜しくお願いします。

    • conn/rois/atlas.txt に書いてあります。
      conn/rois の中のファイルはひとつずつ確認する意義があるので見ていただけたらと思います。

      • ファイル見つかりました、ありがとうございます。またフォルダの中身も確認してみたいと思います。

        • 根本先生、いつもお世話になっております。
          ROIをデフォルトのものから、別のアトラスを使用したいと思っております。この際、Atlas fileにチェックを入れたのですが、うまくマトリックスが作成されず、xyz1✖️153cell Z []となってしまいました。
          アトラスを入れ替える際にどこの設定を変更すれば宜しいでしょうか?

          • ご質問だけだと、ちょっと原因を推測しづらいので、よろしければ、

            – どのようにアトラスを準備したか
            – どのようにアトラスを指定したか

            をもう少し詳しく教えていただけませんか?Atlas file にチェックを入れるだけだと不十分かなと思います。

          • ご返信ありがとうございます。こちらからの連絡が遅くなりすみません。

            アトラスはHCPのものを検討しております。これは半球あたり180領域に分かれたアトラスのようですが、Supplement Fig.8などにあるようにtask f MRIを用いてさらに細かなSubareasに分けることもできるようです。

            しかしながら、Supporting filesを確認しようとしたのですが、何故か開くことができませんでした。

            Subareaを含む、半球あたり180領域以上のアトラスファイルやラベルが記載されたファイルなどは公開されているのでしょうか?ご存知でしたらご教授いただけますと幸いです。

            https://balsa.wustl.edu/QwnL

            これまでHCPアトラスを使用した経験がなく、全くの初心者で恐縮なのですが、どうぞ宜しくお願い致します。

          • やりたいことがわかりました。

            – Glasser のアトラスですが、以下で入手できます。
             https://figshare.com/articles/dataset/HCP-MMP1_0_projected_on_fsaverage/3498446

            – FreeSurferのsurfaceデータをroiとして扱う方法は、以下で紹介されています。英語ですが。
             https://andysbrainbook.readthedocs.io/en/latest/FunctionalConnectivity/CONN_ShortCourse/CONN_AppendixD_SurfaceBasedConnectivity.html#loading-the-freesurfer-rois

            まずは上記2つを足がかりに試されてはいかがでしょうか?

          • ありがとうございます。

            FreeSurferのsurfaceデータをroiとして扱う方法
            >>行なっていることとしては、脳表面の情報を3次元情報に置き換えているという理解でよろしいでしょうか?

            またデフォルトアトラスのようにniftiファイルとして利用可能な、Subarea/subregionsに分けられたアトラスはありますでしょうか?

            HCPデータを利用するには専用のワークベンチを利用するしかないでしょうか??

            頓珍漢な質問でしたら申し訳ありません。。

          • ありがとうございます!
            送っていただいたファイルのROIを見たところ半球あたり590(全脳1180)領域に分けられているようです。
            半球あたり180領域(全脳360)からさらにtask f MRIの結果を基にさらにROIを細分化していったアトラスということでよいでしょうか??

            またそれぞれのROIが何を示しているかわかるLabelファイルはございますでしょうか?

            どうぞ宜しくお願い申し上げます。
            お忙しいところありがとうございます。

        • 追記失礼します。

          AFNIグループのページのGlasser_Atlas_Documentation.docxを確認しましたところ、以下の文章がありました。領域はやはり半球あたり180領域でした。

          Regions on the left are numbered 1-180. Regions on the right are numbered 1001-11180.

          このアトラスからさらにROIを分けるには、Freesurferを用いるしかなく、既にROIを細分化したNifti形式のファイル(つまり半球あたりのROIは180以上のアトラス)は見当たらないのではと思ったのですが、いかがでしょうか??

          • お示しいただいたリンクにログインすればniftiファイルがダウンロードできるようなので、それを入手されるのがいいのではないでしょうか。

          • ファイル名はniiのようですが、実際はCIFTIファイルでした。
            ROIについてはSubregionsに分けられておりました。
            180領域とは書かれていますが、実際は170番台で分けられておりました。
            ご指導くださりありがとうございました。

  2. いつも先生のWebsiteで勉強している、初学の者です。
    ROI toolsについて、ぜひご指導・ご教授頂きたく、投稿しました。

    それは、ここで、「自分で関心のある領域をROIとして設定」したい組織があります。
    また、これを、「Matlab版でconn/roisの中に自分でROI画像を入れる」方法をトライしたいと思っています。

    一つ、具体的なROI所望部位があり、「視床網様核(TRN; thalamic reticular nucleus)」
    視床ゲート機構 – 脳科学辞典 (neuroinf.jp)
    を追加したいと思っています。

    このような、背側視床の外側をシート状に囲っている希望ROI(=視床網様核)を設定したいと思っています。例えば、conn/roisの中に仮称として、「TRN.mat」として、追加ROI画像をファイル形式として組み込みたいと思っています。この場合、どのようなM-ファイルを作成すればよいでしょうか。
    (先生のK-Lab内の他のタグも、一通り探しては見たものの、追加ROI設定で、Matlab版が見つからなかったので、相談させて頂きました。)

    TRNは、背側視床の外側という事で、1枚のMNI-space ROIのMatlabファイル作成がシンプルかと思いその方法をアドバイス頂きたく、よろしくお願い致します。
    以上、長文となり申し訳ございませんが、アドバイス頂戴できればと思っています。

    • 吉池さん

      この場合は、matファイルではなく、niftiファイルを作っていただければと思います。
      標準脳をベースに、MRIcroGLなどで、ROIを描いてniftiファイルとして保存し、TRN.nii として rois にいれることで認識されるかと思います。
      試していただけたらと思います。

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