ANTs (Advanced Normalization Tools)は、近年注目されている脳画像解析ツールです。性能が高いのですが、導入方法などが親切に説明されていません。
ある方と、ANTsのMacOSXへの導入についていろいろやりとりすることがありましたので、一連の流れを記載しておきます。
開発者によるHow-toはこちらに記載されています。
- 事前に必要なソフトウェア
- CMake
- command line tools
- CMakeのインストール
- CMakeのパス設定
以下の2つが必要です。
公式サイトで、MacOSX用のインストーラーが配布されています。
http://www.cmake.org/download/に行き、cmake-3.x.x-Darwin-x86_64.dmgをダウンロードします。そして、その後、ファイルをダブルクリックすると、CMake.appが見えますので、Applicationsアイコンにドラッグ&ドロップすれば、完了です。
ただ、これだけだと、普通に開こうとすると「セキュリティの問題で開けません」と言われます。そこで、アプリケーションフォルダで、controlを押しながら、CMakeをクリックします。そうして、一番上にある「開く」をクリックすると、「開いてもいいですか?」と尋ねられますので、はいと答えれば、OKです。
次に、CMakeをターミナルから利用できるように設定します。
ターミナルを開き、.bash_profileを開きます。
そこで、次のようにタイプします。
open -a text edit .bash_profile
すると、.bash_profileが立ち上がりますので、そこの一番下に以下の内容を記載します。
#CMake PATH=/Applications/CMake.app/Contents/bin:$PATH
これを保存してテキストエディットを閉じます。ターミナルを一度終了し、再度起動します。
パスがきちんと通っているか確認するために、以下をタイプします。
echo $PATH
一番最初に/Applications/CMake.app/Contents/binが確認できればOKです。
最初に、App StoreからXcodeをインストールします。
その後、ターミナルを立ち上げ、以下をタイプします。
xcode-select --install
そうすると、インストールしますか?と聞かれますので、”Install”をクリックすればインストール完了です。
いよいよ本題に入っていきます。
ターミナルを立ち上げ、ホームディレクトリに移動し、gitでソースコードを入手します。
ANTsというフォルダにソースコードが入りますので、もし、同名のフォルダがあったら、他のところに移動するか、名前を変更しておいてください。
cd ~ git clone git://github.com/stnava/ANTs.git
次に、コンパイルのためのフォルダ antsbin を準備し、そこで作業をします。
mkdir antsbin cd antsbin
早速コンパイルに入ります。
ターミナルから次のコマンドをタイプします。
ccmake ../ANTs
今、antsbinというディレクトリにいます。../ANTsは、~/ANTsを意味します。
そうすると、以下のような画面になるはずです。
ここで c を押します。画面下に説明がありますが、configureの意味です。
すると、次の画面になります。
ここでもう一度 c を押します。
すると、次の画面になります。
違いはただひとつ。Press [g] to generate and exit というものがひとつできました。
ここで、 g を押します。
そうすると、画面がぱっと消えて元のターミナルに戻ります。慌てないでください。これが正常です。
そうしたら、以下のコマンドを打ちます。
make -j 4
そうすると、以下のような画面になります。ITKをダウンロードなどします。私の場合、ここだけでだいたい20-30分くらいかかりました。ネットワークの遅い早いもあるかもしれませんが、じっと待ちます。
忍耐の結果、下記の画面のように、”Completed: ANTs”と出れば、無事にコンパイル完了です。
(吉田先生、ご指摘ありがとうございます。)
最後にもうひとつ。http://ehc.ac/p/advants/discussion/840261/thread/18f0a686/の一番最後に記載がありますが、~/ANTs/Scriptsに、有用なスクリプトがたくさん入っています。これを、binにコピーしたらと推奨されています。
cd ~/antsbin/bin cp ~/ANTs/Scripts/* .
今度は、ANTsのパス設定を行います。先ほどと同様、.bash_profileに記載します。
open -a text edit ~/.bash_profile
すると、.bash_profileが立ち上がりますので、そこの一番下に以下の内容を記載します。
今、ANTsの実行ファイルは、~/antsbin/binにあります。
#ANTs export ANTSPATH=~/antsbin/bin export PATH=$PATH:$ANTSPATH
これを保存し、終了し、ターミナルを一度閉じて再度開きます。
ANTsのパスが通っているかどうかを確認するには、以下をタイプします。
ANTS --help
これで、ANTSのヘルプ画面が出れば、無事にインストールできたことになります。
今後、ANTsがアップデートされた場合、以下のようにすればよいとのことです。
cd ~/ANTs git pull origin master
これで、ANTsの中身が最新になりますので、再度コンパイルという形になるかと思います。
ピングバック: ANTsのUbuntu 14.04へのインストール方法(ソースからのコンパイル)