CONNチュートリアル 15: Second-level Analysis 群間比較

多くの方から、”Second-level Analysis”のチュートリアルを執筆するように言われていましたが、なかなか時間がとれなかったのでそのままになっていました。
ようやく、時間がとれたので second-level analysis にいきます。

First-level analysisで Done と押すと、以下のような画面になるはずです。

ここで、大事なのは、画面中央の “Subject effects” と “Between-subjects contrast” です。

CONNがすごいのが、SPMで設定するコントラストを自動で考えてくれるところです。

それでは、2群間の比較から行きましょう。

健常者より統合失調症でfunctional connectivityが落ちているところをまず探したいと思います。
年齢と性別は共変量として扱いましょう。

まずは、”Subjects effect” のところで、シフトキーを押しながら、

control
patients
age
gender

の4つを選択します。

次に、Between-subject contrastsで、”Any effects of interest” のところをクリックして、”control > patients”を選択します。

そうすると、上のコントラストが自動で [1 -1 0 0] となります。

つまり、SPMで自分で設定しなければいけないコントラストを、CONNは自動で設定してくれるのです。

そうすると、画面下に、統計の表があらわれます。

ただ、これは味気ないので、もう少しファンシーな結果を見ましょう。
画面左下にある “Results explorer” をクリックしてください。

これを見ていきます。

  • Define connectivity matrix
  • これは、connectivityの行列のサイズを示します。今は、164のROIを使っているとわかります。

  • Select seed ROI(s)
  • これは、左側にある図の seed がどれかを示します。今は、右前頭極がシードになっています。左側の絵が真っ黒ということは、右前頭極と相関をきたす領域で、統合失調症が健常者より落ちているconnectivityはなかったということになります。ちなみに、seedは、ひとつずつ変更していくと、左の絵が変わりますし、CtrlキーやShiftキーを使って複数選ぶことも可能です。下の”Select all”を選ぶと、ROIをすべて選ぶことになります。あたりをつけるために、やってみるといいと思います。今の場合でやった結果を下に示します。

  • Define thresholds
  • ここで統計の閾値を設定します。今は、FDRで多重比較補正をかけて p<0.05 となります。 閾値を変更したかったらここで変更します。

  • 統計結果
  • その下にあるのは、統計結果です。領域が出ているところを選択すると、左側でどのconnectivityかを示してくれます。

表示も変えてみましょう。

メニューの View -> axial view を選んでください。

そうすると、以下のようになります。

きれいですね。

coronal, sagittalも同様です。

そして、3d viewを選択すると、以下のようになります。

これも素敵ですね。

こんな感じで結果を表示できます。

Print Friendly, PDF & Email

9 thoughts on “CONNチュートリアル 15: Second-level Analysis 群間比較

  1. 根本 清貴 先生

    医学部の学生の松田と申します。
    先生のチュートリアルで勉強させていただいております。
    丁寧なご説明、誠にありがとうございます。

    CONNを用いて、自閉スペクトラム症傾向の程度の違いによる脳領域の機能的結合性について解析しております。
    ASD傾向の程度によって参加者を3群に分け、それぞれ2群間比較を行いました。
    特定の1つの機能的結合性について同時に3群で比較するために、何らかの方法で結合性の強さを絶対値で表示できればと考えましたが、CONNでは難しいのでしょうか。

    お忙しい中、お手数をお掛けして大変恐れ入りますが、何卒ご教授くださいますと幸いに存じます。

    どうぞよろしくお願い申し上げます。

    • 松田さん

      ご質問ありがとうございます。

      1. 3群比較の場合に、それぞれ2群の比較をいきなりやるのは、多重比較の問題を起こしてしまうので、
       まずは、一元配置分散分析を行います。One-way ANOVAというものです。CONNではそれは普通にできるので、
       まずANOVAを先にやって3群で平均が有意に異なるところを見出してもらうところから始められたらいいと思います。

      2. 次に、機能的結合性ですが、全部数値化されています。
       FisherのZ変換によってZ値に変換はされていますが。
       ちなみに結合性は正負がありますので、絶対値ではありません。
       この値を得るには、Matlabから、

       cd conn_ご自身のプロジェクト名
       cd results/firstlevel/ANALYSIS_01

       としたうえで、

       load resultsROI_Subject001_Condition001.mat

       としてください。Subject001に関する様々なデータが読み込まれます。
       そのうえで

       Z

       としていただくと、ROI-to-ROIのconnectivityの値が表示されます。

       ちなみに
       names
       names2
       が行列の名前になりますので、そちらから何行何列目のものはどの領域とどの領域のconnectivityの値かということがわかります。

      まずはここから見ていただいてはどうでしょうか。
       
      根本清貴

  2. 早速のご返信誠にありがとうございます。
    無事出力することができました。
    この度はご丁寧な対応誠にありがとうございます。

    • 無事にできたようで何よりです。
      他の方にも役に立つ情報と思います。

      • 重ねてお伺いしたいのですが,複数のコンポーネントを同時に出力する場合,四次元データ(91×109×91×コンポーネント数)のようになると思っていました。
        しかし出力されたniftiファイルを見たところ,複数のコンポーネントを同時に出力した場合と一つづつ出力した場合とでデータフレームの形が同じでした(どれも91×109×91)。
        これは複数のコンポーネントを出力した場合では,一つのデータフレーム内に同時に出力するためという解釈でよろしいでしょうか?

        度々の質問申し訳ありません,よろしくお願い致します。

        • こちらは完全に検証できていませんが、91x109x91であるならば、3次元データということになりますから、同一フレーム内に出力されているということになりますね。
          別々にほしければ、ひとつひとつ出力されるしかないのだと思います。

          • 早速のお返事ありがとうございます。
            ご教授頂いたことを活用しconnに取り組みたいと思います。
            この度は誠にありがとうございました。

  3. 非常に丁寧なチュートリアル,誠にありがとうございます。
    groupICAなどを行った際,それぞれのコンポーネントの座標情報がどこに保存されているかご存知でしょうか?
    ご多忙の中大変恐縮なのですが,ご教授頂けると幸いです。

    • ご質問ありがとうございます。

      ICAの結果を出したところで、ICAのコンポーネントのひとつをクリックしたうえで、

      – ICA tools:

      をクリックしてください。

      そうすると、

      “Create ICA parcellation ROI file”

      というのがでてきます。

      そこを選ぶと、ROIの.niiファイルができると同時に、座標情報を記したテキストファイルが出力されます。

      これではいかがでしょうか?

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください