2014年12月にFreeSurfer 5.3のインストールの方法を記載しましたが、しばらく時間が経ちました。最近、FreeSurfer 6.0がリリースされましたので、コピペでもいけるぐらいにまとめてみます。
英語でのFreesurferをLinuxにインストールするときの具体的な方法は、
こちらに書いてあります。以下は英語を読むのがつらい方のためです。
なお、楽をしたい人は、一番最後にある【楽をするためのスクリプト】をご覧ください。
- libjpeg62のインストール
- ラインセンスの申請
- ライセンスファイルの準備
- FreeSurferのダウンロード
- FreeSurferのインストール
- Subjectsディレクトリの準備
- .bashrcへの追加
- 起動の確認
libjpeg62がないとFreeviewが動作しないとの報告をいただきましたので、これをインストールしておきます。(私は他のソフトのインストールの際にこれを入れていたので、そのことに気づきませんでした。)
sudo apt-get install libjpeg62
FreeSurferを使用するには、登録が必要です。登録ページから必要事項を記載すると、メールでライセンスが送られてきます。
送られてきたメールには、以下のような内容があります。
#—————CUT HERE—————
someone@example.com
0000
*abcdefghijklmn
Abcdefghijklmn
#—————CUT HERE—————
この中の4行をコピーし、テキストエディタに貼りつけます。
そして、名前をつけて保存とし、Downloadsフォルダの中にlicense.txtという名前で保存します。
これは、後ほど使います。
FreeSurfer 6.0から、ダウンロードするファイルは1種類となりました。
フィアルサイズが4GBと大きいので、普通にダウンロードすると失敗することもありますので、ここは、wgetというプログラムを使って入手することとします。wgetのいいところは、-cオプションを使うと、もし、万が一一時的にダウンロードが切れてしまったとしても、部分的にダウンロードしたファイルを使ってくれることです。これによってダウロードの効率がよくなります。
端末を立ち上げ、Downloadsに移動し、以下をタイプします。
cd Downloads wget -c ftp://surfer.nmr.mgh.harvard.edu/pub/dist/freesurfer/6.0.0/freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0.tar.gz
インストール自体は簡単です。圧縮ファイルを展開し、先ほどのlicense.txtを移動するだけです。先ほどの端末から以下のようにタイプしてください。なお、tarのオプション、-Cは、展開先を指定するものです。
pwd /home/your_user_name/Downloads ← Downloadsディレクトリにいることを確認 sudo tar xvzf freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0.tar.gz -C /usr/local sudo mv license.txt /usr/local/freesurfer
FreeSurferは/usr/local/freesurferにインストールされますが、ここはシステムディレクトリなので、通常のユーザーには書き込み権限がありません。このため、自分のディレクトリの中にFreeSurfer用のディレクトリを作っておくと便利です。端末から以下のようにタイプします。
cd ←ホームディレクトリに戻る mkdir freesurfer ←これで、/home/user_name/freesurferができる cd freesurfer cp -r /usr/local/freesurfer/subjects .
最後に、.bashrcファイルに少しだけ追加します。
ターミナルからnanoを使って.bashrcファイルを開きます。
cd nano .bashrc
このファイルの文末に以下の4行をコピペしてください。
#FreeSurfer export SUBJECTS_DIR=~/freesurfer/subjects export FREESURFER_HOME=/usr/local/freesurfer source $FREESURFER_HOME/SetUpFreeSurfer.sh
Ctrl-xで保存し、終了します。
これでFreeSurferのインストールおよび設定は終了です。
一度端末を終了します。
実際に動くかどうかをテストします。
端末を再度起動すると、私の場合、以下のようなメッセージが出てきます。
-------- freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0-2beb96c -------- Setting up environment for FreeSurfer/FS-FAST (and FSL) FREESURFER_HOME /usr/local/freesurfer FSFAST_HOME /usr/local/freesurfer/fsfast FSF_OUTPUT_FORMAT nii.gz SUBJECTS_DIR /home/kiyotaka/freesurfer/subjects MNI_DIR /usr/local/freesurfer/mni FSL_DIR /usr/share/fsl/5.0
これが出ないとしたら、.bashrcへの記載が間違っているはずです。再度確認してください。
以下の確認は、本家のサイトにある指示をそのままやっているだけですが、念の為に記載しておきます。
- freeview
端末に、以下をそのままコピペしてください。
cd $SUBJECTS_DIR freeview -v \ bert/mri/T1.mgz \ bert/mri/wm.mgz \ bert/mri/brainmask.mgz \ bert/mri/aseg.mgz:colormap=lut:opacity=0.2 \ -f \ bert/surf/lh.white:edgecolor=blue \ bert/surf/lh.pial:edgecolor=red \ bert/surf/rh.white:edgecolor=blue \ bert/surf/rh.pial:edgecolor=red
きちんとインストールされているならば、下記のような画面が出てくるはずです。
今、ホームディレクトリの下にあるfreesurfer/subjectsの中には、sample-001.mgzとsample-002.mgzと2つのファイルがあります。同一人物が2回撮影したファイルです。FreeSurferでは、これをbertというsubject IDで出力結果が入っていますが、一応、自分でもやってみましょう。subject IDをernieとしてみます。
ターミナルから以下のようにタイプしてください。
cd $SUBJECTS_DIR recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -all
これは機種にもよりますが、最低8時間程度かかります。とりあえず、動くかどうかだけ確認したかったら第1段階のところまででやめておくのも手です。そのときは、下記をタイプします。
recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -autorecon1
これは30分前後で終わります。
【楽をするためのスクリプト】
Linuxがいいのは、ほとんどスクリプト化できることです。
license.txtさえあればあとは自動でインストールできるスクリプトを準備しました。
- スクリプトのダウンロード、権限変更、そして実行
ターミナルから以下をタイプしてください。
wget https://raw.githubusercontent.com/kytk/lin4neuro-xenial/master/scripts/setup_freesurfer_v6.0.0.sh chmod 755 setup_freesurfer_v6.0.0.sh ./setup_freesurfer_v6.0.0.sh
そうすると以下のようなメッセージが出てきます。
Begin installation of FreeSurfer
This script will download and install Freesurfer in Ubuntu 16.04
You need to prepare license.txt beforehand.
license.txt should be placed in /home/kiyotaka/Downloads
Are you sure you want to begin the installation of FreeSurfer? (yes/no)
ここで、yes とタイプすると、FreeSurfer 6.0のダウンロードおよびインストールを自動でやってくれます。
ターミナルから同様に以下をタイプしてください。
wget https://raw.githubusercontent.com/kytk/lin4neuro-xenial/master/scripts/check_freesurfer_v6.0.0.sh chmod 755 check_freesurfer_v6.0.0.sh ./check_freesurfer_v6.0.0.sh
根本先生
瀬尾和秀です。
ご助言、誠にありがとうございます。
先生のご助言のとおりに、tcshをインストールしましたら、問題は無事解決致しました。
ありがとうございます。
FSLに関してはまだ、インストールをしておりませんので、先生の記事を参考にさせていただきながら、行いたいと存じます。
今回は誠に有難うございました。これからも何卒、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。
瀬尾先生
無事に動いてよかったです。
FSLですが、neurodebianはFSLの最新版、FSL5.0.10に対応していません。
Mac版と同様の方法でインストールすることで、FSL5.0.10をインストールできます。
そちらをおすすめします。
根本先生
いつもお世話になっております。埼玉医科大学、神経内科 瀬尾和秀です。
この度、新しくUbuntu14.04のOSのPCを導入したため、先生の記事を参考にさせていただき、freesurferの導入を行っていたのですが、一部分でエラーが生じてしまいまして、質問させていただきました。
項目の8の起動の確認まではうまくいったのですが、それ以降にすすめますと以下のようなメッセージが表示され先に進むことができませんでした。
——– freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0-2beb96c ——–
Setting up environment for FreeSurfer/FS-FAST (and FSL)
FREESURFER_HOME /usr/local/freesurfer
FSFAST_HOME /usr/local/freesurfer/fsfast
FSF_OUTPUT_FORMAT nii.gz
SUBJECTS_DIR /home/dl-box/freesurfer/subjects
MNI_DIR /usr/local/freesurfer/mni
dl-box@DL-Box:~$ cd $SUBJECTS_DIR
dl-box@DL-Box:~/freesurfer/subjects$ freeview -v \
> bert/mri/T1.mgz \
> bert/mri/wm.mgz \
> bert/mri/brainmask.mgz \
> bert/mri/aseg.mgz:colormap=lut:opacity=0.2 \
> -f \
> bert/surf/lh.white:edgecolor=blue \
> bert/surf/lh.pial:edgecolor=red \
> bert/surf/rh.white:edgecolor=blue \
> bert/surf/rh.pial:edgecolor=red
bash: /usr/local/freesurfer/bin/freeview: /bin/tcsh: 誤ったインタプリタです: そのようなファイルやディレクトリはありません
また、起動時にも、FSL_DIR /usr/share/fsl/5.0の行が表示されていませんでした。お忙しいところ、大変恐縮ですが、ご助言をいただけないでしょうか。何卒、よろしくお願い致します。
瀬尾先生
拝見しました。おそらく2つです。
1. tcshのインストールが必要です。すみません、私はいつもAFNIをインストールするので、tcshはいつもインストールしているものですから、これを見落としていました。
sudo apt-get install tcsh
をすればfreeviewの問題は解決すると思われます。
2. FSLに関しては、別途FSLのインストールが必要です。FSLのインストールおよびパス設定はすんでいますか?