Ubuntu でNVIDIAのGPUがうまく動かなくなった時の対処法【2024年12月版】

NVIDIAのGPUドライバーがプロプライエタリからオープンソースに移行したことに伴い、過去にプロプライエタリドライバを使っていた方がアップデートがうまくいかずトラブル場合が多々あります。

その時の対処法を以下に示します。

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Windows11 22H2からアップデートできない時の対処法

私はWindowsは仮想環境で使うことが多いのですが、Windows11が22H2以降、アップデートできない現象に遭遇しました。

対処法を簡単に書いておきます。検索すればたくさん情報は出てきます。ちなみに、これはシステム要件を満たしているのにアップデートできない場合とお考えください。

  • Windows11から、Windows11のダウンロードページにアクセス
     https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11

  • Windows11のISOを入手。方法は2つ

    • 「Windows 11 のインストール メディアを作成する」から、mediacreationtool.exe を入手し、実行して、ISOを入手
    • 「x64 デバイス用 Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」からISOを入手
  • 入手したISOを右クリックし、「マウント」を選択。ISOがDVDドライブとしてマウントされるので、ドライブ名を確認。

  • コマンドプロンプトを管理者権限で実行

  • マウントされたドライブに移動。Dドライブなら cd d: で移動できる

  • 以下のコマンドを実行

    setup /product server
    
  • serverとなっているが気にしなくてよい。自分の現在のライセンスのままアップグレードされる。

やはり、最後の手段はCLIですね。

VirtualBox のDebian 12 ゲストに Guest Additions をインストールする方法

VirtualBox上でDebianをインストールしていろいろ試しているのですが、Guest Additionsをインストールしようとしてちょっと困ったので、備忘録として残しておきます。

short answer

cd /media/cdrom
sudo sh VBoxLinuxAdditions.run

でいけます

long answer

最初、普通Ubuntuでやるように

cd /media/cdrom
sudo ./VBoxLinuxAdditions.run

としたところ、

sudo: unable to execute ./VBoxLinuxAdditions.run: Permission denied

となりました。

なんでだろうと思ったところ、https://forums.virtualbox.org/viewtopic.php?t=58799にヒントが書かれていました。

cdromをマウントする際、/etc/fstabに

/dev/sr0    /media/cdrom0    udf,iso9660    user,noauto    0    0

と書かれています。この noauto を exec にすることで、実行可能になるということでした。

もちろん、これを exec に変えるのも方法ですが、この場合、任意のCDが実行されてしまうリスクもはらんでいます。

それ以外の方法がないかと考えたところ、直接実行するのではなく、シェルから実行するという方法があるかなと思いました。

そうしたら、上記のリンクの最後にその旨が書かれていました。

なので、実際に試してみました。

cd /media/cdrom
sudo sh VBoxLinuxAdditions.run

そうしたところ、あっさりと動きました。

スクリプトを直接実行ではなく、シェルから実行というのは常に頭のどこかに置いておくといいんだなということを学びました。

【Python】DICOMヘッダーをCSVに保存

1. 目的

PythonのPydicomライブラリを用いて、DICOMヘッダーをCSVにまとめて保存

2. 準備

2.1. ライブラリの準備

Pydicomは、DICOMのヘッダーや画像を操作するのに用いるライブラリである。

Pydicomのインストールは、以下のコマンドを実行。

pip3 install pydicom

CSV形式の表データを扱うには、Pandasライブラリを用いる。

Pandasライブラリのインストールは、以下のコマンドを実行。

pip3 install pandas

2.2. データの準備

次のような、フォルダ構造でデータを準備する。この場合では、各被験者フォルダの中にDICOMが保存されている。

DICOM_folder
├── Subject001
│   ├── XXX.dcm
│   ├── ...
│   └── XXX.dcm
├── Subject002
│   ├── XXX.dcm
│   ├── ...
│   └── XXX.dcm
├── ...
└── SubjectXXX

2.3. スクリプトの準備

次のコードを、extract_dcm_header.pyとして保存する。このとき、スクリプトはDICOM_folderフォルダと同じ階層に保存する。

import os
import pydicom
import pandas as pd

input='DICOM_folder'  # Input folder
output='dicom_headers.csv'  # Output CSV

dcm_dfs = []
failed_files = []
processed_files = []
for root, _, files in os.walk(input):  # Find DICOM file for each subject
    if len(files) != 0:  # If DICOM files exist
        try:
            f = os.path.join(root, files[0])
            dcm = pydicom.dcmread(f)  # Read DICOM
            _df = pd.DataFrame({dcm[k].keyword: [dcm[k].value] for k in dcm.keys() if dcm[k].keyword != "PixelData"})  # Read Headers
            dcm_dfs.append(_df)  # Gather headers of all subjects in a list
            processed_files.append(f)
        except:
            failed_files.append(f)

dcm_dfs = pd.concat(dcm_dfs, ignore_index=True)  # Concat headers of all subjects in a table
dcm_dfs.to_csv(output, index=False)  # Save as CSV

3. プログラムの実行

2.3. スクリプトの準備で用意した、extract_dcm_header.pyを実行するには、次のコマンドを実行する。

python3 ./extract_dcm_header.py

4. 結果の確認

収集したDICOMヘッダーは、dicom_headers.csvとして保存される。

5. コードの解説

まず、必要なライブラリを読み込む。

import os
import pydicom
import pandas as pd

ここでは、入力となるDICOMフォルダーと出力となるDICOMヘッダーのまとまったCSVの名前を定義している。

今回の場合だとinput='DICOM_folder'output='dicom_headers.csv'

input='DICOM_folder'  # Input folder
output='dicom_headers.csv'  # Output CSV

データを格納するための、箱(リスト)を定義。

dcm_dfs = []
failed_files = []
processed_files = []

被験者ごとのDICOMファイルを検索。

for root, _, files in os.walk(input):  # Find DICOM file for each subject

DICOMファイルがある場合のみ、処理を実行。

    if len(files) != 0:  # If DICOM files exist

Pydicomを用いて、DICOMデータを読み込む。

        try:
            f = os.path.join(root, files[0])
            dcm = pydicom.dcmread(f)  # Read DICOM

DICOMからヘッダー(Header)情報を、Pandasで読み込む。

PixelDataタグを含めると、出力(CSV)が崩れておかしくなるので、収集に含めないようにしている。

            _df = pd.DataFrame({dcm[k].keyword: [dcm[k].value] for k in dcm.keys() if dcm[k].keyword != "PixelData"})  # Read Headers

収集した結果を、被験者ごとに処理をして、一つの箱(リスト)にまとめる。

            dcm_dfs.append(_df)  # Gather headers of all subjects in a list
            processed_files.append(f)
        except:
            failed_files.append(f)

すべての被験者のヘッダー情報を、一つの表形式のデータ(DataFrame型)に変換する。


dcm_dfs = pd.concat(dcm_dfs, ignore_index=True)  # Concat headers of all subjects in a table

結果を、CSVとして保存する。

dcm_dfs.to_csv(output, index=False)  # Save as CSV

2024年10月現在、FreeSurferはUbuntu 24.04 では動作しません

ときどきこの質問を受けるので言及しておきます。

2024年4月にUbuntu 24.04が公開されました。
しかし、Ubuntu 24.04上では現行のFreeSurfer 7.4.1は動きません。
このため、FreeSurferを実行したい場合は、しばらくUbuntu 22.04からアップグレードしないようにしましょう。

Pythonでオブジェクトの型に準備されている通常メソッドの一覧を出力する関数

Pythonを勉強していると、「この型のメソッドは何だろう?」と思う時があります。
この時、オブジェクトを obj とすると

dir(obj)

とすることで、一覧を得ることができます。

たとえば、リスト型のメソッドを知りたいとします。dir() を使うと以下のようになります。

x = [1, 2]
dir(x)

[code lang=text]
['__add__', '__class__', '__class_getitem__',
 '__contains__', '__delattr__', '__delitem__',
 '__dir__', '__doc__', '__eq__', '__format__',
 '__ge__', '__getattribute__', '__getitem__',
 '__gt__', '__hash__', '__iadd__', '__imul__',
 '__init__', '__init_subclass__', '__iter__',
 '__le__', '__len__', '__lt__', '__mul__',
 '__ne__', '__new__', '__reduce__', '__reduce_ex__',
 '__repr__', '__reversed__', '__rmul__', '__setattr__',
 '__setitem__', '__sizeof__', '__str__', '__subclasshook__',
 'append', 'clear', 'copy', 'count', 'extend',
 'index', 'insert', 'pop', 'remove', 'reverse', 'sort']
[/code]

ここで、”–” からはじまるメソッドは特殊メソッドと言われ、その型の振る舞いを細かく調整するものとのことです。今回はここには踏み込みません。

今、私は、「通常メソッドだけリストアップしたい」と思いました。どうしたらできるでしょうか?

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bash でディレクトリ変数の展開を有効にする direxpand を設定する方法

Ubuntu 22.04 から、ターミナルでの変数を使ったディレクトリ移動が厄介になりました。

例を挙げます。

FSLのインストールパス は変数 $FSLDIR に入っています。私はこれまでは、$FSLDIR/standard にアクセスしたい場合

cd $FSLDIR までタイプしたら、その後、タブキーをタイプすると、シェルが自動で cd /usr/local/fsl と変数を展開してくれて、その後のディレクトリをタイプしていました。

しかし、Ubuntu 22.04 から、同じことをすると

cd \$FSLDIR/

と変数がエスケープされてしまい展開されなくなってしまいました。

これは不便です。

調べたところ、shopt というコマンドがあることを知りました。

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LinuxやmacOSでPythonの仮想環境を構築する方法

過去に、Anacondaに頼らない、pipとvenvを用いたPython環境の構築 という記事を書きました。今回、改めて、Pythonの仮想環境について理解が深まったので書きたいと思います。

仮想環境を構築したい背景

  • Python は、ひとつのシステムに様々なバージョンが存在しえます。macOSでの場合を、macOS の Python事情を理解するに解説しました。LinuxやWindowsも同じで複数のバージョンが存在しえます。
  • また、LinuxやmacOSにおいて、Pythonは、システムの重要なところを担っていたりします。Ubuntuであれば、 dpkg -l | grep python3 とすると、どれだけ多くの Python3に関連したパッケージがシステムにインストールされているかを確認することができます。

  • このような状況において、システムのPythonに追加でパッケージを入れていって、もし不具合が起きた場合、システムそのものが不安定になる可能性があります。

  • Pythonの仮想環境を使うと、システムの中に、独立したPythonの環境を構築することができます。「独立している」というのは、システムに一切影響を与えないということを意味します。不要になったらばっさり削除しても一切問題ありません。

  • そこで、以下で、仮想環境の構築の仕方を解説します

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