Ubuntu14.04, 16.04へのFreeSurfer 6.0のインストール

2014年12月にFreeSurfer 5.3のインストールの方法を記載しましたが、しばらく時間が経ちました。最近、FreeSurfer 6.0がリリースされましたので、コピペでもいけるぐらいにまとめてみます。

英語でのFreesurferをLinuxにインストールするときの具体的な方法は、
こちらに書いてあります。以下は英語を読むのがつらい方のためです。

なお、楽をしたい人は、一番最後にある【楽をするためのスクリプト】をご覧ください。

  1. libjpeg62のインストール
  2. libjpeg62がないとFreeviewが動作しないとの報告をいただきましたので、これをインストールしておきます。(私は他のソフトのインストールの際にこれを入れていたので、そのことに気づきませんでした。)

    sudo apt-get install libjpeg62
    
  3. ラインセンスの申請
  4. FreeSurferを使用するには、登録が必要です。登録ページから必要事項を記載すると、メールでライセンスが送られてきます。

  5. ライセンスファイルの準備
  6. 送られてきたメールには、以下のような内容があります。

    #—————CUT HERE—————
    someone@example.com
    0000
    *abcdefghijklmn
    Abcdefghijklmn
    #—————CUT HERE—————

    この中の4行をコピーし、テキストエディタに貼りつけます。
    そして、名前をつけて保存とし、Downloadsフォルダの中にlicense.txtという名前で保存します。
    これは、後ほど使います。

  7. FreeSurferのダウンロード
  8. FreeSurfer 6.0から、ダウンロードするファイルは1種類となりました。
    フィアルサイズが4GBと大きいので、普通にダウンロードすると失敗することもありますので、ここは、wgetというプログラムを使って入手することとします。wgetのいいところは、-cオプションを使うと、もし、万が一一時的にダウンロードが切れてしまったとしても、部分的にダウンロードしたファイルを使ってくれることです。これによってダウロードの効率がよくなります。

    端末を立ち上げ、Downloadsに移動し、以下をタイプします。

    cd Downloads
    wget -c ftp://surfer.nmr.mgh.harvard.edu/pub/dist/freesurfer/6.0.0/freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0.tar.gz
    
  9. FreeSurferのインストール
  10. インストール自体は簡単です。圧縮ファイルを展開し、先ほどのlicense.txtを移動するだけです。先ほどの端末から以下のようにタイプしてください。なお、tarのオプション、-Cは、展開先を指定するものです。

    pwd
    /home/your_user_name/Downloads ← Downloadsディレクトリにいることを確認
    sudo tar xvzf freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0.tar.gz -C /usr/local
    sudo mv license.txt /usr/local/freesurfer
    
  11. Subjectsディレクトリの準備
  12. FreeSurferは/usr/local/freesurferにインストールされますが、ここはシステムディレクトリなので、通常のユーザーには書き込み権限がありません。このため、自分のディレクトリの中にFreeSurfer用のディレクトリを作っておくと便利です。端末から以下のようにタイプします。

    cd ←ホームディレクトリに戻る
    mkdir freesurfer ←これで、/home/user_name/freesurferができる
    cd freesurfer
    cp -r /usr/local/freesurfer/subjects .
    
  13. .bashrcへの追加
  14. 最後に、.bashrcファイルに少しだけ追加します。

    ターミナルからnanoを使って.bashrcファイルを開きます。

    cd
    nano .bashrc
    

    このファイルの文末に以下の4行をコピペしてください。

    #FreeSurfer
    export SUBJECTS_DIR=~/freesurfer/subjects
    export FREESURFER_HOME=/usr/local/freesurfer
    source $FREESURFER_HOME/SetUpFreeSurfer.sh
    

    Ctrl-xで保存し、終了します。
    これでFreeSurferのインストールおよび設定は終了です。
    一度端末を終了します。

  15. 起動の確認
  16. 実際に動くかどうかをテストします。
    端末を再度起動すると、私の場合、以下のようなメッセージが出てきます。

    -------- freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0-2beb96c --------
    Setting up environment for FreeSurfer/FS-FAST (and FSL)
    FREESURFER_HOME   /usr/local/freesurfer
    FSFAST_HOME       /usr/local/freesurfer/fsfast
    FSF_OUTPUT_FORMAT nii.gz
    SUBJECTS_DIR      /home/kiyotaka/freesurfer/subjects
    MNI_DIR           /usr/local/freesurfer/mni
    FSL_DIR           /usr/share/fsl/5.0
    

    これが出ないとしたら、.bashrcへの記載が間違っているはずです。再度確認してください。

以下の確認は、本家のサイトにある指示をそのままやっているだけですが、念の為に記載しておきます。

  • freeview
  • 端末に、以下をそのままコピペしてください。

    cd $SUBJECTS_DIR
    freeview -v \
        bert/mri/T1.mgz \
        bert/mri/wm.mgz \
        bert/mri/brainmask.mgz \
        bert/mri/aseg.mgz:colormap=lut:opacity=0.2 \
        -f \
        bert/surf/lh.white:edgecolor=blue \
        bert/surf/lh.pial:edgecolor=red \
        bert/surf/rh.white:edgecolor=blue \
        bert/surf/rh.pial:edgecolor=red
    

    きちんとインストールされているならば、下記のような画面が出てくるはずです。

  • サンプルデータを用いて解析
  • 今、ホームディレクトリの下にあるfreesurfer/subjectsの中には、sample-001.mgzとsample-002.mgzと2つのファイルがあります。同一人物が2回撮影したファイルです。FreeSurferでは、これをbertというsubject IDで出力結果が入っていますが、一応、自分でもやってみましょう。subject IDをernieとしてみます。

    ターミナルから以下のようにタイプしてください。

    cd $SUBJECTS_DIR
    recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -all
    

    これは機種にもよりますが、最低8時間程度かかります。とりあえず、動くかどうかだけ確認したかったら第1段階のところまででやめておくのも手です。そのときは、下記をタイプします。

    recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -autorecon1
    

    これは30分前後で終わります。

【楽をするためのスクリプト】

Linuxがいいのは、ほとんどスクリプト化できることです。
license.txtさえあればあとは自動でインストールできるスクリプトを準備しました。

  • スクリプトのダウンロード、権限変更、そして実行
  • ターミナルから以下をタイプしてください。

    wget https://raw.githubusercontent.com/kytk/lin4neuro-xenial/master/scripts/setup_freesurfer_v6.0.0.sh
    chmod 755 setup_freesurfer_v6.0.0.sh
    ./setup_freesurfer_v6.0.0.sh
    
    

    そうすると以下のようなメッセージが出てきます。

    Begin installation of FreeSurfer
    This script will download and install Freesurfer in Ubuntu 16.04
    You need to prepare license.txt beforehand.
    license.txt should be placed in /home/kiyotaka/Downloads
    Are you sure you want to begin the installation of FreeSurfer? (yes/no)

    ここで、yes とタイプすると、FreeSurfer 6.0のダウンロードおよびインストールを自動でやってくれます。

  • Freeviewを用いた確認
  • ターミナルから同様に以下をタイプしてください。

    wget https://raw.githubusercontent.com/kytk/lin4neuro-xenial/master/scripts/check_freesurfer_v6.0.0.sh
    chmod 755 check_freesurfer_v6.0.0.sh
    ./check_freesurfer_v6.0.0.sh
    
    
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4 thoughts on “Ubuntu14.04, 16.04へのFreeSurfer 6.0のインストール

  1. 根本先生

    瀬尾和秀です。
    ご助言、誠にありがとうございます。
    先生のご助言のとおりに、tcshをインストールしましたら、問題は無事解決致しました。
    ありがとうございます。
    FSLに関してはまだ、インストールをしておりませんので、先生の記事を参考にさせていただきながら、行いたいと存じます。
    今回は誠に有難うございました。これからも何卒、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。

    • 瀬尾先生

      無事に動いてよかったです。

      FSLですが、neurodebianはFSLの最新版、FSL5.0.10に対応していません。
      Mac版と同様の方法でインストールすることで、FSL5.0.10をインストールできます。
      そちらをおすすめします。

  2. 根本先生

    いつもお世話になっております。埼玉医科大学、神経内科 瀬尾和秀です。
    この度、新しくUbuntu14.04のOSのPCを導入したため、先生の記事を参考にさせていただき、freesurferの導入を行っていたのですが、一部分でエラーが生じてしまいまして、質問させていただきました。
    項目の8の起動の確認まではうまくいったのですが、それ以降にすすめますと以下のようなメッセージが表示され先に進むことができませんでした。
    ——– freesurfer-Linux-centos6_x86_64-stable-pub-v6.0.0-2beb96c ——–
    Setting up environment for FreeSurfer/FS-FAST (and FSL)
    FREESURFER_HOME /usr/local/freesurfer
    FSFAST_HOME /usr/local/freesurfer/fsfast
    FSF_OUTPUT_FORMAT nii.gz
    SUBJECTS_DIR /home/dl-box/freesurfer/subjects
    MNI_DIR /usr/local/freesurfer/mni
    dl-box@DL-Box:~$ cd $SUBJECTS_DIR
    dl-box@DL-Box:~/freesurfer/subjects$ freeview -v \
    > bert/mri/T1.mgz \
    > bert/mri/wm.mgz \
    > bert/mri/brainmask.mgz \
    > bert/mri/aseg.mgz:colormap=lut:opacity=0.2 \
    > -f \
    > bert/surf/lh.white:edgecolor=blue \
    > bert/surf/lh.pial:edgecolor=red \
    > bert/surf/rh.white:edgecolor=blue \
    > bert/surf/rh.pial:edgecolor=red
    bash: /usr/local/freesurfer/bin/freeview: /bin/tcsh: 誤ったインタプリタです: そのようなファイルやディレクトリはありません

    また、起動時にも、FSL_DIR /usr/share/fsl/5.0の行が表示されていませんでした。お忙しいところ、大変恐縮ですが、ご助言をいただけないでしょうか。何卒、よろしくお願い致します。

    • 瀬尾先生

      拝見しました。おそらく2つです。

      1. tcshのインストールが必要です。すみません、私はいつもAFNIをインストールするので、tcshはいつもインストールしているものですから、これを見落としていました。

      sudo apt-get install tcsh

      をすればfreeviewの問題は解決すると思われます。

      2. FSLに関しては、別途FSLのインストールが必要です。FSLのインストールおよびパス設定はすんでいますか?

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