MRIcronのMacOSへのインストール方法

*23 Jan 2021: MRIcronのインストーラーが変更になったこと、MRIconにdcm2niixが含まれるようになったことから、全面改訂を行いました。

MRIcron自体のインストールは難しくないのですが、ターミナルからdcm2niixを使用するためには少し工夫が必要ですので、それを記載します。なお、シェルは bash という前提でいきます。zshを利用の方は、chsh -s /bin/bash で bash に変更できます。(再起動が必要です)

  1. MRIcronのダウンロードとインストール
  2. MRIcron のダウンロードページ http://www.nitrc.org/projects/mricron から、”MRIcron_macOS_Universal_X86_ARM.dmg” をダウンロードします。

    ダウンロードした dmgファイルをダブルクリックします。
    以下のようなウィンドウが現れますので、”MRIcron” のアイコンを、”Applications” フォルダにドラッグします。こうすることで、アプリケーションに登録されます。

  3. MRIcronの実行
  4. アプリケーションフォルダを開き、MRIcronをダブルクリックします。

    Warningのウィンドウが出ますが、そのまま「開く」をクリックします。

    そうすると、MRIcronが実行されます。

  5. MRIcron および dcm2niix のパス設定
  6. 比較的苦労せずにできたのではないかと思います。もう一つだけしておきましょう。それは、MRIcron および dcm2niix のパスを通す作業です。これをしておくと、MRIcron および dcm2niix がターミナルから起動することができるようになります。(なお、dcm2niixはHomebrewからもインストールできますので、そちらの方は必須ではありません)

    Finderから、移動→ユーティリティ→ターミナルでターミナルを起動します。

    そして、ターミナルから次のようにタイプします。

    open -a textedit .bash_profile 
    

    そうすると、テキストエディットが起動します。そこに、以下の様な記載をします。

    #MRIcron
    MRICRON=/Applications/MRIcron.app/Contents/MacOS
    DCM2NIIX=/Applications/MRIcron.app/Contents/Resources
    export PATH=$PATH:$MRICRON:$DCM2NIIX
    

    これがなんだか簡単に説明しましょう。まず、 .bash_profile というのは、簡単に言うと、ターミナルを開くときに読み込まれる設定ファイルです。今、行った記載は、MRIcron と dcm2niix のパスです。これを行うことで、ターミナルに、MRIcron と dcm2niix のプログラムの保存場所を教えてあげるのです。そのうえで、記載した内容ですが、

    • #MRIcron
    • これは、単なるコメントです。 # の後は基本的にコメント行で何の意味も持ちません。MRIcronの設定が書いてあるということを後で思い出すためのものです。

    • MRICRON=/Applications/MRIcron.app/Contents/MacOS
    • これは、MRICRON という変数を準備しています。そして、この変数に MRIcron があるディレクトリを指定しています。

    • DCM2NIIX=/Applications/MRIcron.app/Contents/Resources
    • 同様に、DCM2NIIXという変数を準備し、 dcm2niix があるディレクトリを指定しています。

    • export PATH=$PATH:$MRICRON:$DCM2NIIX
    • ここは2段階の作業を1度に記載しています。まず、パス変数 $PATH に MRIcron と dcm2niix のパスを追加しています。そして、exportすることで、パスを更新しています。これにより、端末を起動した際に、MRIcron と dcm2niix のパスが追加され、ターミナルから MRIcron と dcm2niix が起動できるようになります。

    ここまでできたら、ファイルを保存してテキストエディットを終了します。その後、ターミナルから exitとし、一度ターミナルを終了します。そしてもう一度ターミナルを起動します。この際に、先ほど保存した .bash_profile が読み込まれ、 MRIcron と dcm2niix のパス設定が行われます。そこで、ターミナルから

    MRIcron
    

    と入力してみてください。そうすると、MRIcron が起動するはずです。

    同様に、

    dcm2niix
    

    と入力してみてください。下図のような画面となれば、無事に dcm2nii にパスが通ったことになります。

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21 thoughts on “MRIcronのMacOSへのインストール方法

  1. MriclonをmacOSで利用したく、記事を参照させていただきました。

    ファイルを保存し、ターミナルを抜けてから再びログインし、下記のコマンドを打ち込んだところ

    dcm2nii

    -bash: dcm2nii: command not found

    と出てしまいました。Mricronをダウンロードする際、当サイトの画像と同じものが見つからなく、macOS

    用の2019年にリリースされたものをダウンロードしたのですがそれが原因でしょうか。

    対処法などありましたら教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

    • 今、macOSのmricronには、dcm2niixがついています。

      なので、この記事は少し修正が必要になりますね。
      後ほど修正します。

      MRIcron自体は起動しませんか?

      • そうなのですね。了解しました。
        MRIcron自体は起動させようとすると”MRIcron”が悪質なソフトウェアかどうかをAppleでは確認できないため、このソフトウェアは開けません。アップデートが必要です。と出てきました。

        • 了解しました。それらのことも含め、週末にブログを更新します。

    • ブログを2021年1月版として改訂しましたので、改めてこちらでやっていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

      • 変更ありがとうございました!
        blogの通りにやってみたところ、無事にpassも通りました。
        丁寧かつ迅速な対応とても助かりましたありがとうございました!

  2. OSXでMRIcronを使用したく、ウェブページを拝見しております。
    bash_profileに指定の文字列を保存させたのですが、ターミナルにdcm2niiと入力しても以下のようにコメントが返ってきます。

    zsh: command not found: dcm2nii

    よろしければ対応法をご教示いただけないでしょうか。

    • これは、macOS Catalina以降で、デフォルトのシェルが bash でなく、 zsh に変わったことに起因するものです。

      zsh の場合だと、.bash_profile でなく、.zprofile が必要となります。

      以下でお願いできますか。

      ターミナルで以下をタイプしてください。

      cd
      open -e .zprofile
      

      もし、これで、/Users/ユーザー名/.zprofile does not exist などのエラーが出たら

      touch .zprofile
      open -e .zprofile
      

      としていただき、

      #dcm2nii
      D2NDIR=/Applications/mricron
      export PATH=$PATH:$D2NDIR
      

      の内容を記載いただけませんでしょうか。

      そして、再起動したらどうなるかを教えていただけたらと思います。

      私の環境では、これで無事にdcm2niiが動くことを確認できました。

      根本清貴

      • 早々にご返信くださりましてありがとうございます。
        確認が遅れてしまいまして申し訳ありません。

        ご教示いただいた通りにやってみたのですが、やはりうまく動作しません。
        zprofileに保存はされているのですが、

        zsh: command not found: dcm2nii

        この記載が返ってきます。

        何度も申し訳ありませんが、対応法があればご教示いただけないでしょうか。

        • 赤池先生

          そうなのですね。以下の2つを行いたいです。

          1. 再起動はされましたか?

          2. 以下のコマンドの結果をコピペしていただけませんか?

          cat ~/.zprofile
          

          根本清貴

          • 根本先生

            ありがとうございます。

            1 再起動はいたしました。ターミナルをexitして終了し、再度起動いたしました。

            2 出力結果をコピペいたします。

            akaikeshun@akaikemkanoimac ~ % cat ~/.zprofile

            #dcm2nii
            D2NDIR=/Applications/mricron
            export PATH=$PATH:$D2NDIR% akaikeshun@akaikemkanoimac ~ %

            赤池 瞬

          • 赤池先生

            今、私の環境で確認しました。
            すみません、Catalinaから挙動が変わっていますね。
            そして、最近のMRIcronではdcm2niixが入っていることがわかりました。

            改めて、以下でお願いできますか。

            1. GUIでの起動の確認
             Catalinaでは、GUIでMRIcronを起動しようとするとセキュリティでエラーが出ます。
             システム環境設定 → セキュリティとプライバシー → ダウンロードしたアプリケーションの実行許可
             をしたうえで、MRIcronが起動することを確認してください。

            2. .zprofile の編集

            open -e ~/.zprofile
            

            で、以下に修正してください。

            D2NDIR=/Applications/MRIcron.app/Contents/Resources
            MRIcronDIR=/Applications/MRIcron.app/Contents/MacOS
            export PATH=$PATH:$D2NDIR:$MRIcronDIR
            

            これで保存し、ターミナルを再起動してください。

            4. dcm2niixとMRIcronの起動確認

            ターミナルから以下をタイプします。

            dcm2niix  #dcm2niiでないことに注意してください
            
            mricron
            

            少なくとも私のcatalinaでzshの環境では、これで起動しました。

            いかがでしょうか。

            根本清貴

          •  根本先生

             ありがとうございます。
             やはり保存はされるのですが、、、

            akaikeshun@akaikemkanoimac ~ % dcm2niix
            zsh: command not found: dcm2niix

            akaikeshun@akaikemkanoimac ~ % mricron
            zsh: command not found: mricron
            akaikeshun@akaikemkanoimac ~ %

             どうもうまくいかないようです。
             何度も申し訳ありません。

          • 赤池先生

            確認ですが、GUIでは起動しますか?
            アプリケーションの中にMRIcronがあって、それをクリックすると起動しますでしょうか?

            根本清貴

          •  根本先生

             起動いたします。
             アイコンをクリックしますと、基底核や脳梁が色づけされた3方向画像が表示されます。

          • 赤池先生

            そうなのですね。

            ターミナルから

            /Applications/MRIcron.app/Contents/Resources/dcm2niix

            /Applications/MRIcron.app/Contents/MacOS/MRIcron

            とタイプするとどうでしょうか?

  3. MRIcronをOSXで使用したく,
    記事を参照させて頂いております.

    “open -a textedit .bash_profile”
    上記をターミナルに入力したのですが,

    The file /Users/Noriyuki/.bash_profile does not exist.
    と出力され,テキストが開かないのです.

    対処法をご教示いただけると幸いです.
    何卒よろしくお願い致します.

    • 返信が遅くなりすみません。

      その場合でしたら、

      最初に

      touch .bash_profile
      

      とされてはいかがでしょうか?

      touch コマンドはファイルがない場合、空のファイルを作成します。
      そのうえで、open -a textedit をしていただけたら、空のファイルが立ち上がりますので、そこで作業していただけたらと思います。

      やってみてうまくいったかどうか教えていただけたらと思います。
      よろしくお願いします。

      • お返事遅くなり申し訳ありません.
        ご教示頂いた方法で,無事にパスが通りました.

        • ご丁寧に報告をありがとうございました。
          無事にパスが通ってよかったです。

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