Xubuntu14.04にIBM SPSS 22をインストールし、日本語の文字化けをなくす方法

Linuxで統計をやるならRを使えばいいじゃないと言われそうですが、
同僚がSPSSを多く使う場合、SPSSを動かせた方がいい時もあります。
ただ、インストールしてみたら日本語が文字化けして苦しみました。
ちょっとした工夫でクリアーできたので、ご紹介します。
ちなみに、SPSS_Statistics_22_lin_.binというファイルを使ってインストールしました。

  • ファイルに実行権限を付加
  • ダウンロードしてきたファイルは、実行権限がありませんでしたので、実行権限を付加します。

    $ chmod 755 SPSS_Statistics_22_lin.bin
    
  • LANG変数を英語に
  • ここが第1のキモです。SPSSのインストーラーはLANG変数を見て表示言語を変えるようなのですが、日本語の表示が最初はうまくいきません。そのために、英語でいきます。もちろん、インストーラーのGUIでEnglishを選ぶこともできるのですが、それだとライセンス認証のところで文字化けしてしまいます。なので、インストーラーを起動する前に、LANGを英語にしてしまうのがよい結果に結びつきました。LANG=Cと打つだけです。

    $ LANG=C
    
  • インストーラーの起動
  • 次に、ルート権限でインストーラーを起動します。

    $ sudo ./SPSS_Statistics_22_lin.bin
    

    これでインストーラーが起動します。インストールの画面は、基本、WindowsやMacと同じですので、割愛します。ひと通り終わると、ライセンス認証にいきます。それもWindowsやMacとたいして変わりませんので、そのままできるかと思います。

  • SPSSの起動
  • 次につまずいたのがここでした。インストールはされますが、GUIにアイコンが登録されません。あとで、アイコンは作ることにして、とりあえず、コマンドから貴どうすることにします。Ubuntuでは、デフォルトのパスは/opt/IBM/SPSS/Statistics/22でした。その下のbin/statisticsが実行ファイルです。

    $ /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/statistics
    

    そうすると、SPSSが立ち上がります。ちょっと感動です。

    spss_english

  • メニューの日本語化
  • さて、ここで、メニューのEdit -> Options -> Languageといきますと、Language設定ができますので、Japaneseを選んでみました。

    SPSS_lang_settings

    すると、お約束のように日本語が豆腐化します。

    SPSS_Japanese_Tofu

    さて、どうしたものかと思いました。
    で、ふと、思いました。

    SPSSはJavaを使っている。Javaの日本語化を調べたらいいのではないか?

    そこで、Ubuntu, Java, 日本語化で調べるととてもわかりやすいサイトが見つかりました。

    早速、設定してみました。結果は……何の変化もありませんでした。

  • SPSSの中のJavaの設定だ!
  • それで、ふと思いました。「SPSSの中にfontsディレクトリがあるのでは?」

    早速、findで検索してみました。

    $ cd /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/
    $ find . -name 'fonts'
    

    すると、すぐに出てきました。

    ./bin/JRE/lib/fonts
    

    これでピンと来ました。先ほどのJavaの設定を、システムに対してでなく、SPSSのディレクトリの中ですればいいわけです。

  • 具体的な方法
  • fontsディレクトリの中にfallbackというディレクトリを作成し、そこにTakaoゴシックのシンボリックリンクを貼ります。

    $ cd /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/JRE/lib/fonts/
    $ sudo mkdir fallback
    $ cd fallback
    $ sudo ln -s /usr/share/fonts/truetype/takao-gothic/Takao* .
    

    こうすると、私の場合、以下の3つのファイルのシンボリックリンクが貼られました。

    kiyotaka@Ubuntu:/opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/JRE/lib/fonts/fallback$ ls
    TakaoExGothic.ttf  TakaoGothic.ttf  TakaoPGothic.ttf
    
  • SPSSの再起動と日本語の指定
  • もう一度SPSSを起動し、そして、先ほどと同じくOptions -> Languages -> Japaneseとします。

    そうすると、きれいに日本語化されました!

    spss_japanese

  • SPSSのメニューへの登録
  • あとは、SPSSのアイコンを作成します。

    SPSSのアイコンは、こちらのサイトからいただいてきました。下のアイコンを右クリック→名前をつけて保存で、spss-statistics.pngというファイル名で保存します。

    spss-statistics

    このファイルを、以下のコマンドで、/usr/share/pixmapsに保存します。

    $ sudo cp spss-statistics.png /usr/share/pixmaps
    

    次に、ホームディレクトリの下にある.localディレクトリに移動します。

    $ cd ~/.local/share/applications
    

    もしかしたら、「そんなディレクトリない」と怒られるかもしれません。
    そうしたら、以下のようにして作成してから移動してください。

    $ mkdir -p ~/.local/share/applications
    $ cd ~/.local/share/applications
    

    そうしたら、そこで適当なエディタでspss-statistics.desktopファイルを作成してください。ここでは、nanoエディタを使用します。

    $ nano spss-statistics.desktop
    

    そこに以下を書き込みます。正直、下記をコピペでもかまいません。

    [Desktop Entry]
    Version=1.0
    Type=Application
    Name=SPSS Statistics 22 
    Comment=
    Exec=/opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/statistics
    Icon=/usr/share/pixmaps/spss-statistics.png 
    Categories=Education;        
    StartupNotify=true
    Terminal=false
    

    下図のようになるはずです。

    spss_nano

    そうしたら、Ctrl-Xで終了します。

    すると、私の使っているXubuntuでは、もっと正確に言うとLin4Neuroでは、下図のように教育の項目の中にSPSSが登場します。

    spss_menu

これで、SPSSを快適に使える環境が整いました。

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